#高校野球ダンスコンテスト、それ ちょっとむずくない?
こんにちは、わかつき(@tsubasa_waka)です。
高校野球の夏の祭典、甲子園がいよいよ開幕しましたね。
ホントは昨日の開幕でしたが、台風で雨天順延。
天候はコントロールできないのが屋外スポーツイベントの難しいところですよね。
そんな高校野球の祭典、夏の甲子園(全国高等学校野球選手権大会)を主催している朝日新聞社、数年前から「バーチャル高校野球」を提供しています。
試合情報・ニュースをテキストや動画で配信したり、全試合をライブ中継したり、高校野球好きの芸能人を起用したコンテンツをつくったりと、甲子園を観戦以外でも楽しめるようになっています。
名選手や名勝負の紹介は度のスポーツでも人気ですよね。
バーチャル高校野球はFacebookやTwitterのアカウントを持っていて、しっかりと運用されています。
甲子園ベストゲーム47、トータルテンボスの藤田さん投票してみました。出身地である静岡から選んだ試合は…。https://t.co/k3k8lYLWbb #高校野球 #甲子園ベストゲーム47 pic.twitter.com/NEMTOrF8lz
— バーチャル高校野球 (@asahi_koshien) 2017年8月7日
インスタはかっこいい写真が多いですね!
さて。
こちらのバーチャル高校野球、「応援だって、戦いだ」と銘打って行っている企画があるので紹介します。
盛り上げるのは球児だけじゃない!高校野球ダンスコンテスト。
それがこちら、高校野球ダンスコンテスト。
WEB動画も本格的。
概要文から引用します。
高校野球を盛り上げるのは球児だけじゃない!
大会歌「栄冠は君に輝く」の応援ダンスを踊った動画を、
YoutubeにアップしてTwitterに投稿!!
完全コピーでも、アレンジでも、うまくなくてもOK。
夏の甲子園をさらに盛り上げる、アツいダンスをお待ちしています!
Fit'sやポカリのキャンペーンでおなじみの、SNSで盛り上がりやすいダンスコンテストです。リップシンクや双子ダンスなど、昨今のSNSで人気コンテンツのひとつですね。
直近だと、森永の友チョコ方程式が印象に残っています。
真似しやすいダンス、耳残りしてリピートしたくなる軽快な曲、そしてカワイイりかりこちゃん。スマホで撮ったようなあえて粗い画質も、親近感を感じさせます。
話を高校野球ダンスコンテストに戻します。
「高校野球を盛り上げるのは球児だけじゃない!」と書き、甲子園に出場しない人、それも高校球児じゃない人も応援ダンスで「もうひとつの甲子園」として盛り上げようというこの企画。
高校時代に陸上でインターハイにいけなくて友達を応援した経験がある僕としては、とても素敵な企画だと思っています。
とても素晴らしい企画だという想いがすごく強い半面、企画の設計部分に強く疑問を感じてしまいます。。。
それ、間に合うの...?
改めて高校野球ダンスコンテストの応募条件をみると
①指定曲の指定ダンスを踊ってYouTubeにアップする
②公式Twitterをフォローして、YouTubeのURLをハッシュタグつきでツイートする
と、ぱっと見るとシンプルですが、これがけっこう難儀に思えます。。。自分たちのダンスを公の場にみせるわけですしね。
まず、ダンスがむずかしい!
これが指定曲である大会歌「栄冠は君に輝く」の応援ダンスの解説動画です。
け、けっこう難しくないですか...?
チアリーディングやダンスをやっている高校生ならまだしも、もし一般の高校生や野球部の部員を対象にしているなら、かなりの練習が必要になるんじゃないかなと思います。
ダンス、むずい。
応募期間が短すぎる
これだけ難しいダンス、練習時間もそれなりに必要だと思います。
それに対して応募期間が2017年8月4日(金)~13日(日)と1週間ほどしかありません...!
けっこうハード。
リリースが先に出ていますが、それでも7月25日なので2〜3週間ほどしかありません。
プロモーション動画を見ると数十人で踊っていますし、解説動画では6人で踊っています。
個々人の振り付け練習に加え、全体での合わせ練習も必要です。
どんなにダンスが上手でも、撮影も考えるとさすがにこの準備期間は短すぎるんじゃないかなと思います。
賞が、合っていない...。
この企画の賞品は、
・ホームラン賞:ワイヤレススピーカーその1を2個セットを1名
・ストライク賞:ワイヤレススピーカーその2を2個セットを1名
・盗塁賞:ヘッドセット(イヤホン)を2個セットを1名
です。
プロモーション動画を見ると数十人で踊っていて、解説動画では6人で踊っています。応募するユーザーとしてはそれを真似して応募するわけですから、単純に賞品の総量が見合っていません。
副賞として甲子園決勝のモニターでダンス動画が流れるかもしれないというのは応募モチベーションになりえますが、
短期間で難しいダンスをみんなで練習して、撮影して、投稿して、ツイートして応募というステップを考えると、賞品としては見合っていないのかなと思います。
賞品それ自体が悪いと言っているわけではありません。応募キャンペーンの設計として、バランスがあっていないということです。
事実、応募開始から4日たった8月8日現在、#高校野球ダンスコンテストをTwitterで検索しても、応募ツイートはほとんど見当たりません。
先日もアディダス×日本陸連のSNSキャンペーンについて書きましたが、
・ターゲット
・参加ハードル(条件、期間)
・参加モチベーションコントロール(賞品、副賞)
のバランスがしっかりと取れていないと、なかなかうまくいくのは難しいです。
「応援だって、戦いだ。」「もうひとつの戦い」といったコンセプトは本当に素敵だと思う反面、もったいないなぁと思います。
正直に言うと、誰になにをさせたいんだろうと、と思います。
ダンス部に甲子園に関わってほしいの?
野球好きの人に踊ってほしいの?
SNSでバズをうみたいの?
第100回甲子園では「#高校野球応援ダンス甲子園」を開催して欲しい
とはいえ、「もうひとつの甲子園」というコンセプトは本当に素晴らしいと思います。
個人的に声を大にして言いたいのは、なぜ指定曲・指定ダンスのコンテストにしてしまったのか...各校の応援合戦でいいじゃないか!と。
新しいダンスを覚えるより、時間をかけて練習した応援でエントリーしたいじゃないですか。
高校野球のスタンドの応援は、定番の応援歌から流行りの曲など幅が広く、吹奏楽部の生演奏や太鼓もあったりと迫力があります。
加えて、各校オリジナルのダンス・応援の振りをもっていて、個性的でみていて面白いです。チアも華やか。
結構SNSでも話題になっていたりしますよね。
「高校野球 応援 かっこいい」「高校野球 応援 面白い」など調べると、たっくさん魅力的な応援がでてきます。
なにより一生懸命で伝わってくるものがあります。
吹奏楽部やチアの本格的な応援はもちろん、ベンチ入りできなかったメンバーが声をからして一生懸命応援する姿は胸を打ちます。
学校ごとに個性があって、しかもめっちゃくちゃ熱いオリジナルの応援で、コンテストをやればいいじゃない。「#高校野球応援ダンス甲子園」
地区大会で負けても、甲子園本番で負けてしまっても、もうひとつの甲子園がある。
入選した学校は甲子園のフィールドに立ってパフォーマンスできたら素敵じゃないですか。
スタンドでしっかり応援できるまで長い時間かけて練習したと思いますし、発表の場があってもいいのではないか。吹奏楽部やチア部の新しい発表の場があってもいいのではないか。
何より、「人を応援する」という見る人をポジティブにさせるコンテンツを、もっと広めてもいいのではないか。
来年の甲子園は第100回の記念大会。
ぜひもうひとつの甲子園、「#高校野球応援ダンス甲子園」をみてみたいなぁ。
最後に
勝手に書いてきましたが、僕も企画設計側に立つことがあるので、時間やリソースがない中で決めたり、制限が多い中でやりきらねばならぬ難しさ、歯がゆさはわかっているつもりです。(楽曲が関わると権利関係が大変ですし)
それを乗り越えて、よりよいスポーツの企画が生まれてほしいなと思います。
それでは。