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「購入する」ボタンに感じる世界観の違い

こんにちは、わかつき(@tsubasa_waka)です。

 

Econsultancyでソーシャルコマースについて気になった記事があったのでご紹介します。

econsultancy.com

 

 

FacebookやTwitter上の広告における「購入する」ボタンとメッセンジャーサービスにおけるbotについての記事ですが、自分でたまに開くDJイベントや過去に行っていたスポーツの普及活動(特にイベント)でも共通する気づきがあったので。

 

 

 

多くの人が「購入する」ボタンに興味を持っていない

 

ソーシャルメディア上で表示される「購入する」ボタンで実際に買い物をする人ってどれくらいいるのだろうと、前々から少し疑問に思っていました。

 

記事では45%の人が「購入する」ボタンに興味がなく、そもそも4分の1の人はその機能について理解していないそうです

In fact, a recent survey suggests that 45% of adults have no current interest in clicking on a 'buy now' button, while a further quarter don’t even know the technology exists. 

 

 

FacebookやInstagram上で購入フォームを入力するめんどくささは感じていましたし、なんとなくそうだよねと思える数字です。

 

 

記事内でも書かれていますが、ソーシャルメディアを閲覧することでショッピングのインスピレーションが湧くことは周知のことです。企業アカウントや有名人、または友人の投稿を見ることで、投稿内にあった商品に対する興味が湧くと。

 

ただ、ソーシャルコマースの現状はそのユーザー心理に沿った設計になっていないと言及しています

While it’s true that users are increasingly turning to social media for shopping inspiration, many brands are failing to realise how big the leap to buying on social actually is. Currently, the reality of social commerce is often very different to the user’s expectations.

 

 

 

なぜ「購入する」ボタンに違和感を覚えるのか

 

 

Instagram上で商品に興味を持ってランディングページに飛びさらにコマースページ(サイト)に遷移させる一連の流れが長くユーザーが離脱しますし、一方でInstagram含むソーシャルメディア上で「購入する」ボタンがあるだけで不快感を覚えるとしています。

 

 

Googleなどの検索エンジンはニーズが顕在化したプラットフォーム、Amazonなどのコマースサービスはそもそも購入意欲が高いユーザーが集まるプラットフォームなので、「購入する」ボタンが直接表示されていても不快に感じないように思えます。

 

 

特にInstagramだと思いますが、インタレストグラフ(興味関心軸)で成り立つソーシャルメディアにおいては、LPやコマースサイトに飛ばすor「購入する」ボタンを表示する今の形式はあまり合っていないのかもしれません。

 

 

ここからは僕の仮説ですが、

 

Instagramのオシャレな世界(ユーザー自身がかっこいいと思ってフォローしたアカウントたちで作られるフィード)で目にした商品を、企業が作ったLPで見ることで自分の世界観との違いからなんとなく違和感を覚えて離脱してしまう

 

 

そんな自分が作り上げた世界観を「購入する」ボタンが存在するだけで壊されていると感じてしまっているのではないでしょうか。

 

 

記事ではメッセンジャーボットについても触れられていて、友人が並ぶ中に企業アカウントが存在することは奇妙だと書かれています。

But do users really feel that comfortable allowing them into this space? It's an odd notion to see a message from a brand alongside your nearest and dearest.

 

これも、友人とのやりとりというプライベートな世界の中に企業アカウントというビジネスライクな存在が入り込むことへの違和感、なのではないかと思います。

 

 

メッセンジャーボットでは、キャラクターアカウントにする、繋がったユーザーを(最もニーズが高いであろう)オペレーターに早期につなげてしまう、といった施策が功を奏しているようですが、「購入する」ボタン含め、ソーシャルコマースの領域はまだまだ模索中のフェーズだということです。

 

 

 

最後に

 

冒頭にも書きましたが僕はたまにDJイベントを行っています。

友人の友人までの繋がりがある人限定でゆるく安心して楽しめるように作っているイベントで、「ゆるく楽しく」的なところを世界観として意図しています。

 

DJメンバーや当日の雰囲気だけでなく、友人を誘う時の伝え方からイベントページのコピーや文言、デザインまでその世界観で統一しているので、リピーターも多くけっこう満足度は高いイベントなのですが、「誘った時の世界観」と「実際に体現した当日の雰囲気」が違っていると、一気に満足度は低くなる実感があります。

 

 

期待値コントロールの話になるかもしれませんが、本質的なところはソーシャルコマースの現状への仮説と同様だと思います。いずれもユーザー心理、世界観を理解することが必要不可欠です。

 

 

にしても、「購入する」ボタンに限った話(たぶん)で、「詳細はこちら」「インストールする」「応募する」などのCTAの実情も気になりますね。引き続きウォッチしていきます。

 

 

それでは。