アスリートもクレイジージャーニーしてる
こんにちは、わかつき(@tsubasa_waka)です。
僕はふだんあまりテレビを見ないで生活する人なのですが、ものすごく好きな番組があります。
それはTBSのクレイジージャーニーという番組。
毎回ゲストが登場して、その人の取り組みや取材などを紹介する番組ですが、その映像がとにかく今までテレビで見たことがないようなものばかりで、毎回新鮮な視聴体験をさせてくれます。
こだわりの境地を垣間見ることができる面白さ
ゲストが特殊すぎて面白くて、世界のスラム街を取材する人、世界の少数民族を取材するために彼らと同じ格好をする女性フォトグラファー、「奇界遺産」なる奇っ怪な風景を取りに行く写真家etc...
こんな文化あったのか!凄まじい光景...!!と映像そのもののインパクトがすごくて、上述した通り新鮮な視聴体験を得られるとともに、毎回純粋に勉強になります。
映像+バラエティチックに楽しめる番組でもありますが、僕が好きなのはゲストの並々ならぬこだわりと信念に触れることです。
それだけインパクトある映像が撮れる、つまり貴重ない経験(言葉で言うと軽いですが)をしている彼らは、並々ならぬ努力とチャレンジをしていて、彼らでしか成し得ないない境地に到達している。
彼らが目で見て耳で感じたクレイジーな経験を映像という形で見ることで、自分が生きている上でありないだろうことを追体験させてもらう。そこに感動を覚えるから、この番組にハマっているんだろうと。
そう思うと、トップアスリートも番組ゲストと同様にクレイジーな経験をしているなぁと思いました。
人間の肉体の極限をアスリートは経験している。僕も追体験したい。
スポーツの感動要素の大きなものとして「人間の身体の限界突破」だと思いますが、番組的に言えばそこに到達するまでがまさにクレイジージャーニーです。
ウサイン・ボルトが100mを9秒58で走ったときも、日本の実況と解説は「うわあ〜〜〜!!!」と仕事を忘れて素直に叫んでいましたよね。
世界の人口70億人ちょっとの中で、100mをあのスピードで走ることができるのはボルトだけで、走っている時の景色や感覚はボルトにしか体験し得ないものです。
クレイジージャーニー。
サッカーのスーパーゴールも、体操の新技も、水泳の世界新記録も、みなそう。
我々は「観戦」という形でアスリートのクレイジージャーニーを外から見ることはできますが、彼らの視点で競技を見ることはできません。
ただ、VR等新技術の発達で、そんなアスリートの視点でスポーツを「体験」できるようになりそうです。
トップアスリートしか見られない競技中の景色を見ることができれば、クレイジージャーニーの番組みたくスポーツ観戦以上の新しい感動を得られると思いますし、スポーツの価値が高まると思います。
スポーツVRを中心に引き続きみていきたいですね。
最後に
今日はトピックや事例紹介ではなく思ったまま整理せず書き出した感じがありますが、最後に疑問に思ったことを。
技術が進歩して、アスリートの体験を完全に追体験することができたら(そんな風に錯覚できたら)、そのときに人はどんな気持ちになるのでしょうかね?
それでは!
今年の夏はスポーツのVRライブ配信が熱くなるか
VRFocusの週まとめの記事に、スポーツVRに関するニュースが載せられていました。
LiveLikeとFOX Sports、そしてNextVRによるサッカーのVR中継に関して。それぞれ見ていきましょう。
コミュニティ性が強い観戦体験を目指すLiveLike
LiveLikeは以前から放送事業社であるFOX Sportsと提携して、アプリ「FOX Sports VR」を提供しています。今回、北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)が主催するナショナルチームによる大陸間選手権である、ゴールドカップを同アプリにてVR中継することを発表しました。
同アプリは観戦体験として、VR空間上にあるVIPルームでの観戦を提供しています。
以前からFacebookによるユーザー連携は行っていたようですが、TechCrunchによると、よりリッチなソーシャル機能が備えられるようになったとのこと。
アプリを開くと、ユーザーはFacebookに接続し、アプリを既にダウンロード済みのFacebookの友人たちや、ランダムオプションによって、さらに3人の他の視聴者たちと同じ部屋に入ることができる。
参考:LiveLikeで、Facebookの友人たちと一緒にスポーツのVR観戦が可能に | TechCrunch Japan
VR空間上でアバター化した友人と一緒にサッカーの試合が観戦できるようです。3Dサウンドを用いているので、友人のアバターが自分に向き合って話せば声は大きくなり、ピッチを向いて話せば声が小さくなるなど、よりリアルに近い体験が提供されるとのことです。
Wii的なアバターによるソーシャル体験と大差ないのではないかと思うところですが、単なる360度視点だけでなくリアルに近い体験ができるか否かが大きな違いを生むポイントになりそうです。
TechCrunchも言っていますが、ソーシャル機能の導入でコミュニティ性を高めることは、ユーザーがLiveLikeを(FOX Sports VRを)使用する時間が増加することが見込めます。
熱狂の共有はスポーツ観戦の大きな価値のひとつですが、LiveLikeとFOX SportsはVR観戦における熱狂の共有最大化を先行して着手している印象があります。
世界初!クラシコをVR中継するNextVR
冒頭のVRFocusの記事では、NextVRのリリースについても触れられています。
それは、NextVRが世界で初めてバルセロナ対レアルマドリードの試合、クラシコをVR中継するというものです。360度動画による配信です。
7月末にマイアミで行われるプレシーズンマッチで、 International Champions Cup (ICC)の一貫で、スタジアム視点とピッチサイドの視点で視聴できるとのこと。
NextVRは昨年もICCの3試合をVR中継しており、NBAやNFLのVR中継に早くから取り組んでいるなど、他社に比べてVR中継(ライブ配信)の実績を多く持っています。
昨年はOculusとGear VRのみの配信でしたが、今回はDaydreamでも配信されることから、昨年以上の視聴が見込めるでしょう。
最後に
上述したLiveLike & FOX SportsとNextVRに加え、今夏からIntelもMLBのVR中継をはじめています。
ソーシャル機能の充実による熱狂の共有を狙うLiveLike
早くからVR中継に取り組み実績とノウハウが抱負なNextVR
ドローンや高度な3Dレンダリング技術を用いてリッチな観戦体験を提供するIntel
三者三様の面白さをみせており、今年の夏から平昌オリンピックあたりの各社の動きには引き続き注目したいですね。
それでは!
インテルはスポーツVR界の覇者となるか
先週末、東京オリンピック関連で面白いニュースがありました。
インテルが2024年までのオリンピックの世界公式パートナーになったとのこと。
ドローンとVRを用い、まずは2018年の平昌オリンピックで16の競技がIntelの「True VR」で配信予定とのこと。平昌冬季に加え、2020年東京、2022年北京、2024年開催地都市未定の合計4回のオリンピックまでの長期契約。
テクノロジーの見本市としての側面もあるオリンピック、合計4回のチャンスを契機にインテルがスポーツVRの覇権を獲ろうと目論んでいるのかもしれません。
インテルが目指すのはVR中継の高品質なパーソナライズ化か
インテルは、2016年にスポーツVRの領域で大きく動いています。
まず、2016年3月にfreeDを提供していたイスラエルのReplay Technologiesを買収したことを発表しました。3Dカメラによる非常に高品質な360度全方位のリプレイ映像を楽しむことができる技術で、はじめて映像をみたときはゲームかなんかの映像かと思いました笑。
3 of Zach Lavine's dunk with the 3D camera, the altitude on the 2nd one is crazy pic.twitter.com/oYmu5ZDl3z
— The Cauldron (@TheCauldron) 2016年2月13日
買収後はIntel 360 replay technologyと名前を変え、30台を超える5Kカメラで撮影するより高品質なものになっています。
詳しい解説はこちら
そして2016年のもうひとつの大きな動きとしては、Ture VRを提供していたVRの老舗、VOKEの買収でしょう。
True VRは複数レンズを備えた撮影装置で作られた360度VRコンテンツで、実際にそのスポーツを体験しているかのような感覚を味わえるとのこと。
VOKE買収と同時にインテル社内にスポーツ専門部門、「Intel Sports Group」を立ち上げたことを発表しました。Replay TechnologyとVOKEの買収から、スポーツVRの中でもVR中継(ライブ配信)の領域に力を入れていることがわかります。
インテルは、最初に紹介した記事でも、「われわれの目標は、『選手になる』ことだ。サッカーのフィールドに座ったり、フェンシングの試合で鋭い剣を向けられる選手の1人になったりする感覚を味わうことができる」と述べていて、スポーツ中継のパーソナライズ化を高品質なレベルで目指していることがわかります。
このあたりが、先行するNext VRやLive Likeとの大きな差別化となるポイントでしょう。
オリンピックやビッグスポーツと提携
冒頭で書いたオリンピックとの公式パートナー契約に加え、2016年のNBAファイナルの360度リプレイの提供、そして今年新たにMLBとVR中継の3年間の提携を発表しました。
既にGear VR向けアプリ「True VR」で配信開始されており、最大4箇所の視点から映像を観ることができるとのこと。現時点では週1回の配信だが、今後配信数は間違えなく増えていくと思われます。
ミドルエンドVRのGear VRにてより多くのユーザーに無料でVR配信を体験させることにより浸透させ、2018年平昌オリンピックにて高品質なVR配信を体験させるといった流れが考えられますね。
他にもNFLやNCAAなどと提携し、VR配信を提供しています。
最後に
インテルはこの2年間で一気にスポーツVRの領域で動いてきていて、そもそもが巨大企業でもありますし、スポーツVRの中での存在感はより強くなっていくでしょう。
リアルなスポーツに加えeスポーツでも力を入れ、スポーツを含めエンターテイメント領域に注力しており、引き続き要注目ですね。
それでは!
ミレニアルズに人気なInstagramで反応が良いスポーツ系パブリッシャー
こんにちは、わかつき(@tsubasa_waka)です。
デジタルマーケティングのアナリティクス系の企業、NEWSWHIP社がInstagramの上位パブリッシャーに関する記事を出していました。
記事にも書かれていますが、Instagramはミレニアル世代はもちろん(特に女性)、その下のZ世代にも非常に人気が高いソーシャルメディアです。(Facebook離れ的なことが巷では言われていますが、Instagramが使われていればFacebook社としてはOK)。
同社が提供する分析ツール、NewsWhip Analyticsの取得データを元にして上位パブリッシャーに関して紹介していました。
ESPNをはじめ上位にスポーツ系のアカウント
2017年5月のメディアアカウントのランキングがこちら。(投稿へのいいね!+コメントに基づく)
引用:The top media publishers on Instagram - NewsWhip
広大な自然をクオリティの高い画像で伝えるNational Goegraphicがダントツで、ついで芸能系のThe Shade Roomと続く中で、4番目にスポーツ系メディアであるESPNがランクインしています。
National GeographicはInstagram向きの綺麗な画像ですし、芸能系=セレブリティはそもそもInstagramと相性が良いですが、ESPNだけでなくSPORTbibleやBarstool Sports
フォロワー数ではなくエンゲージメント(いいね!+コメント)によるランキングなので、凝った投稿を行いしっかりと反応を得られていることがわかります。
ESPNは「問いかけ」とユーザー参加型のベストプラクティスとしても紹介されています。
「綺麗」「素敵」「かっこいい!」といった感情面での訴求だけでなく、ファンとコミュニケーションを取らせるような投稿を行っているようです。
最後に
今回はツールベンダーのブログから、メディア系アカウントのInstagramランキング、そしてスポーツ系パブリッシャーの相性の良さを簡単に紹介しました。
普段様々なアカウントをフォローして投稿をみているので、時間をとって改めて比較分析もしてみようかなと思います。
それでは!
スポーツVRのライブ配信において東京オリンピックはターニングポイントになるのか
こんにちは、わかつき(@tsubasa_waka)です。
2016年VR元年と言われ大きな盛り上がりを見せているVRですが、コンサルティング会社であるPwCが、VR市場は2021年には50億ドル規模になると先日発表しました。
参考:2021年までにCAGRは69.2%に!VR市場成長の予測発表 | VR Inside
同社の発表によるとVRの中でも、エンターテイメント、映画、スポーツなどライブイベントを含むVRビデオ(映像)市場は30億ドルにものぼるとされ、現在市場を牽引しているVRゲームを抜くとしています。
参考:Virtual Reality Video Will Be Worth $3 Billion By 2021: PwC study
大きな市場拡大が見込まれるVRビデオ(映像)の領域ですが、中でもスポーツのライブ配信は大きなポテンシャルを持っているのではないでしょうか。
というのも、かつての東京オリンピックがそうであったように、スポーツのビッグイベントがハードの普及に大きな影響を及ぼしてきたからです。
2020年にはそう、東京オリンピックがありますね。
2021年までのビッグイベント
直近のビッグイベントとしては、2018年の平昌オリンピック、ロシアワールドカップがあります。規模的にはロシアワールドカップの方が大きいですが、注目すべきは平昌オリンピックではないでしょうか。
まず、韓国が国を挙げて平昌オリンピックに向けてVRに注力すると発表していますしていて、スーパーハイビジョンでの中継、英語やフランス語など複数言語への自動翻訳を発表しています。
参考:Sports to be shown in virtual reality at Pyeongchang 2018 under Government technology plan
もちろん韓国には、ミドルエンドHMDの主要プレイヤーであるサムスンがいて、サムスン自体も平昌オリンピックのVR配信を発表しています。
参考:Samsung may provide real-time VR for PyeongChang Olympics
サムスンは昨夏のリオオリンピックを一部VR配信している実績がありますし、ホームとも言える平昌オリンピックでのVR配信はいわずもがな再注力のプロジェクトのはずです。
自国内での配信はもちろん、世界各国に質の高いVR映像をライブ配信で提供することで、VR市場における自身の地位を確固たるものにできるかもしれません。Gear VRはFacebookと提携していますし、そのあたりの動きも要注目です。
時差がほとんどない日本はいい時間帯に観戦できますし、2020年の東京オリンピックに向けてVR観戦を慣らすには絶好の機会になると思います。サムスンはもちろん、各社が日本向けに何か施策を打ってきてもおかしくないのではないでしょうか。
大きな流れとして、
・2016年リオオリンピックで実験的にVR配信
・2018年平昌オリンピックで本格的なVR配信
・2018年ロシアワールドカップでVR配信技術の質が上がり
・2019年ラグビーワールドカップ日本大会で日本におけるVR配信基盤の整備
・2020年東京オリンピックで日本から世界へVR配信の本格普及
なんてこともありうるかもしれません。
最後に
冒頭にも書きましたが、ライフスタイルへの影響力が強いスポーツのビッグイベントがVRのライブ配信の市場拡大への重要なファクターであることは間違いなく、その中でも2020年の東京オリンピックは最重要なイベントになるのではないでしょうか。
日本では東京オリンピックは放送局の枠を超えて放送されることになりますが、既にNHKやフジテレビ、テレビ朝日などはVRに力を入れています。それぞれ違ったアプローチで。
海外のVR主要プレイヤーの最新動向はキャッチアップしつつ、東京オリンピックに向けて日本の放送各局や企業の動きも見ていきたいところです。
それでは!
ただでさえ金満なプレミアリーグは自分たちでライブ配信をするようになるのか
こんにちは、わかつき(@tsubasa_waka)です。
DIGITAL SPORTSから面白い記事が出されていました。
プレミアリーグが自分たちでライブ配信をすることになるのだろうかというもの。
このまま放映権料は膨れ続けるのか
現在プレミアリーグは、2016-17シーズンから3シーズンの放映権をスカイスポーツとBTスポーツに売却していて、その金額は51億ポンドと約1兆円にものぼります。
参考:上昇するプレミア放映権料、約1兆円に…高騰するチケット価格問題も
Jリーグの放映権料が10年で約2100億円ですから、その額の大きさがわかります。
プレミアリーグは国外放映権料を各チームに均等に分配していて、放映権を含む2016-17シーズンの分配金額は最下位のチームでも約9300万ポンド(約134億円)で、2016-16シーズンにリーグ優勝をしたレスターとほぼ同額とのこと。
参考:プレミアの分配金が史上最高額に。最下位でも昨季優勝のレスターと同等
1991年のプレミアリーグ開設以来、放映権ビジネスが順調に伸びてきたプレミアリーグ。ガーディアンによると、スカイスポーツとBTスポーツはアプリでの視聴を促進しており(Sky Go、Now TV)アプリを介しての視聴率は17%増加とのことですが、DIGITAL SPORTSの記事では、シーズン終盤の視聴率が低下していることを指摘し、2シーズン後の契約更新では莫大な放映権料が結ばれないのではないかと述べています。
放映権料が下がるようなことがあるのであれば、プレミアリーグは放送事業者を挟まず自社でライブ配信を販売してしまえと言っているのです。
自前でのライブ配信これいかに
同記事でも触れられていますが、EFLカップ(England Football League:日本でいうルヴァンカップ的な)は、2017-18シーズンから自分たちで大会をライブ配信し、ファンに直接販売するとのこと。
「iFollow」と呼ばれるサービスで、英国外の人が年間110ポンドで視聴することができるとのこと。
参考:iFollow: Live streaming platform unveiled for global EFL fans
日本代表の吉田麻也がベストイレブンに入った大会、と聞くとプレミアリーグファンでなくてもちょっと観てみようと思う気が起きますよね。
これまでの放映権ビジネスを考えると画期的な取り組みですし、先の2シーズンで大きな成功を納めれば、プレミアリーグも乗り出すかもしれませんよね。
ただ記事では、現実にプレミアリーグをファンに直接販売するには、自前で提供する配信プラットフォームの精度や品質に加え、プレミアリーグ「だけ」を販売して成功することの難しさ(スカイスポーツユーザーはプレミアリーグ含む様々なスポーツが観られる)についても触れられています。
最後に
最近ではFacebookやTwitterといったソーシャルメディアのプラットフォーマーがNFLやNBAと直接提携してライブ配信を実施しているなど、放映権ビジネスの在り方や勢力図が変わろうとしてきています。
サッカー界で最も金満なリーグであるプレミアリーグの今後の動きは引き続き中重くですね。
それでは!
その他のスポーツビジネス関連の記事