インテルはスポーツVR界の覇者となるか
先週末、東京オリンピック関連で面白いニュースがありました。
インテルが2024年までのオリンピックの世界公式パートナーになったとのこと。
ドローンとVRを用い、まずは2018年の平昌オリンピックで16の競技がIntelの「True VR」で配信予定とのこと。平昌冬季に加え、2020年東京、2022年北京、2024年開催地都市未定の合計4回のオリンピックまでの長期契約。
テクノロジーの見本市としての側面もあるオリンピック、合計4回のチャンスを契機にインテルがスポーツVRの覇権を獲ろうと目論んでいるのかもしれません。
インテルが目指すのはVR中継の高品質なパーソナライズ化か
インテルは、2016年にスポーツVRの領域で大きく動いています。
まず、2016年3月にfreeDを提供していたイスラエルのReplay Technologiesを買収したことを発表しました。3Dカメラによる非常に高品質な360度全方位のリプレイ映像を楽しむことができる技術で、はじめて映像をみたときはゲームかなんかの映像かと思いました笑。
3 of Zach Lavine's dunk with the 3D camera, the altitude on the 2nd one is crazy pic.twitter.com/oYmu5ZDl3z
— The Cauldron (@TheCauldron) 2016年2月13日
買収後はIntel 360 replay technologyと名前を変え、30台を超える5Kカメラで撮影するより高品質なものになっています。
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そして2016年のもうひとつの大きな動きとしては、Ture VRを提供していたVRの老舗、VOKEの買収でしょう。
True VRは複数レンズを備えた撮影装置で作られた360度VRコンテンツで、実際にそのスポーツを体験しているかのような感覚を味わえるとのこと。
VOKE買収と同時にインテル社内にスポーツ専門部門、「Intel Sports Group」を立ち上げたことを発表しました。Replay TechnologyとVOKEの買収から、スポーツVRの中でもVR中継(ライブ配信)の領域に力を入れていることがわかります。
インテルは、最初に紹介した記事でも、「われわれの目標は、『選手になる』ことだ。サッカーのフィールドに座ったり、フェンシングの試合で鋭い剣を向けられる選手の1人になったりする感覚を味わうことができる」と述べていて、スポーツ中継のパーソナライズ化を高品質なレベルで目指していることがわかります。
このあたりが、先行するNext VRやLive Likeとの大きな差別化となるポイントでしょう。
オリンピックやビッグスポーツと提携
冒頭で書いたオリンピックとの公式パートナー契約に加え、2016年のNBAファイナルの360度リプレイの提供、そして今年新たにMLBとVR中継の3年間の提携を発表しました。
既にGear VR向けアプリ「True VR」で配信開始されており、最大4箇所の視点から映像を観ることができるとのこと。現時点では週1回の配信だが、今後配信数は間違えなく増えていくと思われます。
ミドルエンドVRのGear VRにてより多くのユーザーに無料でVR配信を体験させることにより浸透させ、2018年平昌オリンピックにて高品質なVR配信を体験させるといった流れが考えられますね。
他にもNFLやNCAAなどと提携し、VR配信を提供しています。
最後に
インテルはこの2年間で一気にスポーツVRの領域で動いてきていて、そもそもが巨大企業でもありますし、スポーツVRの中での存在感はより強くなっていくでしょう。
リアルなスポーツに加えeスポーツでも力を入れ、スポーツを含めエンターテイメント領域に注力しており、引き続き要注目ですね。
それでは!