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ネットスポーツ中継ならではの価値とは

こんにちは、わかつき(@tsubasa_waka)です。

 

 

動画ビジネスや動画マーケティングのカンファレンスイベント「Brightcove PLAY 2017 Tokyo」におけるスポーツ動画ビジネスのセッションのレポート記事がCNETから出ていました。

japan.cnet.com

 

 

「SportsNavi Live」のワイズ・スポーツ、「バーチャル高校野球」の朝日新聞社、マイナースポーツを中心に動画配信を行う社団法人リコネクトテレビジョンの3社によるセッション。

 

スポーツ動画、の中のスポーツのネット配信・中継に関するセッションで、動画配信サービス(OTT)におけるスポーツ観戦の実状がよくわかる内容となっています。

 

 

 

ネットスポーツ中継ならではの価値とは

 

記事中では、ネットスポーツ中継ならではの価値を大きく4つ挙げています。

 

簡単にサマると

 

1.いつでもどこでもスポーツ観戦を楽しめる

2.多視点を切り替えたり様々なデータをみながら中継が楽しめる

3.SNSと連動することで情報を拡散させ感動を共有することができる

4.テレビ放送されることがない地方大会やマイナースポーツが観られる

 

 

 

まず「1.いつでもどこでもスポーツ観戦を楽しめる」という点では、記事中でも当初の想定とは違った状況になっているとのこと。

 

ネット配信の視聴スタイルで最も多いのが「一人で、家で観る」という現状を指摘。「私たちがネットスポーツ中継に参入したときは、もっとスマートフォンで(屋外や移動中に)観るというスタイルを構想していたが、実際には“一人で、家で”というところに留まっているという点が大きな課題だ。もっとインターネットらしいスポーツ中継の楽しみ方を提案していかなければならない」(小林氏)。

引用:2020年を見据えて、スポーツ動画ビジネスは何を目指すのか--朝日新聞らが議論 - CNET Japan

 

 

これは、ニールセンスポーツの調査、「OTTにおけるスポーツ観戦実態」でも同様の傾向がみられています。

f:id:waka-tsuba:20170718193553p:plain

引用:【動画配信(OTT)サービスによるスポーツ観戦実態】... - データで見るスポーツマーケティング | Facebook

 

 

「いつでもどこでも」とデバイス的な環境は整っていますが、ユーザーの行動としては自宅でのながら視聴やスキマ時間の消費など、自宅における余暇時間の活用の域を脱していません。

 

 

僕の体験談も含め推測すると、スポーツ中継の尺の長さとテンポの悪さ(間延びする時間もあるし飛ばすこともできない)が、移動時間の尺とあっていないのではないでしょうか。

 

移動時間では短時間で高刺激のコンテンツを消費するイメージがあるので、スポーツ中継はいまいち合わないのかもしれません(大声で叫べないですしね)

 

 

記事中でもその問題点について述べられていますし、

オフィスの休憩時間や移動中などのスキマ時間にどのような価値が提供できるかが重要であり、ニアライブ(試合途中)のハイライト動画、試合経過がすぐにわかるサマリーといったインスタントなコンテンツの提供や、気になった選手の情報などを深堀できる世界を作っていくという方向性は必要なのではないか

引用:2020年を見据えて、スポーツ動画ビジネスは何を目指すのか--朝日新聞らが議論 - CNET Japan

 

 

ユーザーも短時間で高刺激のコンテンツを求めている傾向がみられます。

f:id:waka-tsuba:20170718194645p:plain

引用:【動画配信(OTT)サービスにファンは何を求めているのか?】... - データで見るスポーツマーケティング | Facebook

 

 

 

2.多視点を切り替えたり様々なデータをみながら中継が楽しめる」にもつながってきますが、スポーツ中継をしてかつユーザーが様々な角度からそのスポーツを楽しめるようなコンテンツ提供が重要そうです。

 

 

このあたりは、スポーツのVR配信にも通ずるところがありますね。

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また、メイン動画を流しつつ他の動画を漁ったり他の投稿を見ることができるYouTubeやFacebookなどソーシャルメディアのユーザー体験になれている中で、この「スポーツ中継しながら」という点は地味に重要だと思っています。

 

 

次に「3.SNSと連動することで情報を拡散させ感動を共有することができる」という点については、情報流通の意味ではうまく活用できていると思いますが、後者の「感動の共有」ではまだまだスポーツを観る「だけ」のフェーズかなと思います。

 

OTTサービスでスポーツ中継をみてTwitterに投稿しても自分の感情をシェアするだけで友人の感情は見えませんし、かといってわざわざTwitterを開くと中継が途切れてしまいます。

 

 

その点では、TwitterがエクスクルーシブでウィンブルドンやNFLのライブ中継するのは理にかなっていますしユーザー体験的にも気持ち良いです。

 

また「熱狂の共有」という意味ではスポーツライブエンターテイメントアプリ「Player!」の方が圧倒的に優れています。

 

 

そういった意味では、ネットスポーツ中継の観戦体験と感情の共有体験はまだまだ同居しているとは言えないのではないでしょうか。

 

 

最後に、「4.テレビ放送されることがない地方大会やマイナースポーツが観られる」はネットスポーツ中継の大きな強みですし、スポーツ業界の発展に大きく大きく貢献する要素だと思います。新しい楽しみを得られるわけですし。

 

ただいきつく問題は上述したところと同様だと思うので、ユーザーの行動やインサイトにあったサービスへとどんどん進化してほしいですね。

 

 

最後に

 

冒頭のレポート記事内にもありますが、スポーツ動画ビジネスのマネタイズについても考えようと思いましたが、少々長くなったのでそちらはまた次回。

 

 

それでは!

 

japan.cnet.com

 

 

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