日産の「THE PLAY LISTプロジェクト」でレッドブルになりえるか
こんにちは、わかつき(@tsubasa_waka)です。
日産が面白いプロジェクトを発表しました。
その名も「THE PLAY LIST」
6月に発売された新型エクストレイルに関連させたもので、日本のエクストリームスポーツを盛り上げるプロジェクトのこと。
プレスリリースはこちら。
日産、全国から「遊び場」を募集 情報提供者に10万円の謝礼|日産自動車株式会社 日本マーケティング本部のプレスリリース
具体的には、日本の様々なスポットをエクストリーマー(エクストリームスポーツのプレイヤー)のために、様々な「遊び場」に変えていくそう。
その「遊び場」となりうるスポットを、自治体や施設のオーナー、そして一般の人から募集開始しました。具体的な候補地として選出されると、応募者には10万円が進呈されるそうです。
エクストリームスポーツ(ここにおける定義は後述)のプレイスポットになりうるのであれば、扱いに困っている土地や建物、1畳から球場100個分の広さまでなんでもかまわないとのこと。
土地を確保してエクストリームスポーツ用の施設・設備を整えるところまでやることになると思うので、かなり大きなプロジェクトですよね。レッドブルみたい。
日本のエクストリーマーへの調査でわかった「場所がない」問題
このプロジェクトで興味深いのは、日本のエクストリーマーへの定性調査を行っている点です。プレスリリースによると、18〜59歳の男女へのネットリサーチで1,015サンプルが集まったとのことで、ここまで大きな規模のエクストリームスポーツに関する調査は珍しいですね。(しかもしっかり予備調査も行い、「1年に6回以上」その競技を行っている人を抽出しているそうです)
ちなみに、ここではエクストリームスポーツとは以下の13競技だそうです。
BMX / マウンテンバイク / フリーライドスノーボード(=スノーパーク、ビッグエア、ジブ、ハーフパイプ、バックカントリー、グラトリ等) / フリーライドスキー(スノーパーク、ビッグエア、ジブ、ハーフパイプ、バックカントリー、グラトリ等) / サーフィン(SUP:スタンドアップパドルボードも含む) / ボディーボード / スケートボード / キックボード / インラインスケート / カヌー / カヤック / ボルダリング / トレイルランニング / スカイダイビング
ストリートから海山川と幅広く調査しています。
調査結果を一部ご紹介します。
まずは全体平均。
(引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000009883.html)
男性の方が多いのは肌感でわかりますが、平均年齢は40.5歳とけっこう高いんですね!
年6回以上趣味として行っている人への調査ということで、一般的な平均年収より多いので、社会人年度が高く収入が多く可処分所得に余裕がある層ということでしょうか。
ただ、使う予算が年15万と思ったほど多くないのは驚きました。
バリバリお金つぎ込んでやっている人と、趣味として最低限の出費でやっている人との差が大きそうなので、中央値も知りたいところです。
各競技別の数値は以下。
(引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000009883.html)
当たり前ですが、大きな用具を使う競技ほど予算も多いですね。スノーボードなんかは冬季限定で場所もかなり限られてきますから、移動費や宿泊費もかさんできそう。
また、同調査では「練習する場所」や「競技へのサポート」が「まだまだ整っていない」ことへの計95.2%の「共感できる」との回答が集まっているということで、特別な施設が必要な各競技、まだまだ環境面での問題が多いようですね。
これはエクストリームスポーツに限らず、マイナースポーツ(ベンチャースポーツ)など競技人口が少ないスポーツ全般に言えることです。
ちなみに、エクストリームスポーツをする場所にいくのに、これくらい時間がかかっているそうです。
(引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000009883.html)
それくらいはかかるでしょ!って感じの時間な気がしますが、「練習する場所が少ない」「練習する場所が遠い」と言った声が多かったことから、今回のプロジェクトに至ったわけですね。
エクストリームの普及に加え、地域活性につながる。だから、時間をかけて取り組んで欲しい
エクストリームスポーツはエンターテイメント性が非常に高く写真・映像映えしますし、スポーツの動画配信サービス(OTT)が増えてきた中で、キラーコンテンツのひとつになりえます。
そういった意味で、日産という大企業が大掛かりな調査を行って上でのプロジェクトということで、期待値が高いです。
また、全国から「遊び場」を募集することで、地域の余剰土地の再開発となり、そのまま地域活性につながる可能性も高いです。
(ちなみに、以前フレスコボールを普及していた際に、日本各地の砂浜の再開発を、地域おこし協力隊と文字通り協力してやるのはどうかと考えていました。)
スポーツツーリズムといった視点でも語れるプロジェクトになりうると思います。
土地を見つけ施設・設備を整えるハード面から、できてからの運用まで視野に入れているのであれば相応の時間がかかります。
一過性の盛り上がりで終わるのでなく、長期スパンで取り組んで日本のエクストリームスポーツを盛り上げてほしいですね。レッドブルみたく。
最後に
今回日産は「エクストリームスポーツ」とカテゴライズして取り組んでいますが、カテゴリ外のマイナースポーツ(ベンチャースポーツ)にも波及して欲しいような動きですね。
資金がある大きな団体が動くか、スポーツ同士が協働するか。
それでは!